ホーム 森の声、暮らしの声。 神奈川県鎌倉市 N邸

神奈川県鎌倉市 N邸

「木の幸せをサポートしたい。」

神奈川県鎌倉市 N邸 吉春さん(右) 尚子さん(左)

今回、神奈川県の湘南地区で、外壁にカラマツT&Tパネルを使用するお家を取材させていただきました。信州のカラマツが、湘南でどのような景色の一部となっているのか、訪問前からとても楽しみでした。

尚子さんが教えてくれた江ノ島電鉄「七里ヶ浜」駅へショートカットできる美しい抜け道。

神奈川県鎌倉市南西部に位置する七里ヶ浜(しちりがはま)は、相模湾に面し、長さ約2.9kmの海岸線を持つエリアで、日本の渚100選にも選ばれている鎌倉市の一部です。

海から少し内陸へ進んだ風通しの良い高台の住宅地に、N邸があります。そのお家はグレーのカラマツT&Tパネルで作られた木の外壁が特徴的で、ミッドセンチュリーの空気が漂っていました。

2020年に建てられたN邸外観。

潮風の吹くこの町では、外壁の経年変化も理想的な風合い。

– 今回、湘南地区で外壁にカラマツT&Tパネルを使用するお家の取材に同行いただいたのは、「KIBARI(きばり)」という自由表現住宅を展開し、カラマツの外壁を用いたデザインで個性やこだわりを表現されている当山純雄さんと、一級建築士でKIBARIのデザイナーである山本寛之さん。

– 以前、山本さんが、こちらのN邸の設計に携わったご縁で、今回、当山さんと一緒に素敵な暮らしについて、お話をお伺いに来てくださいました。

当山さん(写真左)と山本さん(写真右)

– お二人が手がけるKIBARIの家は、外壁にカラマツT&Tパネルを使用されていて、湘南における木の外壁の利点と欠点については誰よりも専門的な知識をお持ちです。そんな専門知識を持つ当山さんが質問を投げかけました。

当山さん「そもそも家を建てることを考えられたとき、木の外壁が頭にあったのですか?」

吉春さん「ええ。もともとミッドセンチュリーの家を建てたいと思っていて、どのような壁にするか考えていたときに、山本さんに出会って、国産の木の外壁にできることを教えてもらったんです。」

尚子さん「お話を聞いている中で、国産の木を使えるのなら、大賛成と思いました。」

当山さん「そうですか、それは素晴らしいですね。」

木の外壁を選んだ理由について話す吉春さん。

吉春さん「山本さんから外壁の話を聞いて、森林がどのように伐採され、製材が行われ、戸建てを建てるとどれくらいの森林が活性化するのかを詳しく理解しました。それを聞いて、森林のことを考えるなら、家を建てるときはこの木の外壁材を使わないといけないなと感じ、現在の外壁(カラマツT&Tパネル)になっています。」

尚子さん森で育った木を外壁に使うことで、森の循環が続くのであればとても良いと感じたのと、そんな木に包まれて私たちが暮らすことが森林を支える役割を果たすなら、何よりも嬉しいです。」

森の循環の必要性に共感してくださる尚子さん。

いろいろな循環の大切さ。

山本さん「この家の外壁を製造している安曇野の林友ハウス工業さんは、伐採された木が施主さんにどのように利用されているかを取材して、山の人々に報告するんです。逆に、山の方々も、そのおかげで森を循環できていることを施主の方々に伝えることを望まれてます。だから今回、こうやって森のことをお伝えできるのは、とても良いサイクルだと思っています。」

取材の趣旨についてお話する山本さん。

尚子さん「なかなかない機会なので、ありがとうございます!」

山本さん「おふたりのように、ただ商品として利用するだけでなく、山の人々の生活や、木を伐採する作業の話を聞いて詳しく知られると、山の維持がどれほど重要か感じることができますよね。

吉春さん「すごく感じることができます。」

山本さん「存在しないものを無理に作り出すのではなく、すでにあるものを利用することで生産者とのコネクションを築くことができるし、興味を持つ人々を繋げて(森を維持する)意識的なサイクルも生み出すことができますしね。

当山さん

当山さん「家を建てる前の方だけでなく、最近では実際に木の外壁で家を建てた方と一緒に現地に行き、苗木を植える企画を考えています。そういった、ご自身で使った森を回復するという具体的なアクションを拡められたらと考えています。」

山本さん「これからまた、人が集まって植樹をするチャンスも増えるでしょうしね。とくに、子どもたちに体験してほしくて、知らない森に連れて行かれるときはいやいやなんだけど、後々記憶に残っているものなんですよね。」

吉春さん「ええ、記憶に残るんですよ。私も小学生の頃、植樹を経験していて記憶に残ってますよ。」

当山さん「そう、自分もお客様を連れて植樹体験などをさせてあげたいと思っています。」

吉春さん山って、ちゃんと伐採して植えてという循環をしないと荒れて行ってしまう、関わりを持つことが大事なんだと改めて考えます。

木の外壁の家に暮らすこと。

– 取材スタッフが、ひとつ質問をしました。「木の外壁の家に暮らすことは、皆さんにとって、どういう日々なんでしょうか。」

気持ち良い風が吹く開放的なリビングスペース。

吉春さん「何というのかな、安心感というか、落ち着くんですよね。仕事から帰ってきて外から家を見ると、ああ帰ってきたという気持ちになりますからね。

当山さん「帰ってきたという気持ちかぁ、いいですね。」

1階へ続く階段脇にもカラマツが貼られていました。

吉春さん「(廊下のカラマツを見ながら)ここにも木の壁があるっていうのが、落ち着きますね。本当はここに、写真をカッコよく飾りたいんですけど、穴をあけた跡が付くのが嫌だねという話になって、そのままにしちゃってます(笑)」

尚子さん「まだ3年目だから、木に穴を開けるのは心苦しくて(笑)。ここの壁も外の壁も、木の壁は温もりが感じられるし、生産者を知っている安心感があります。私がこのカラマツを愛している理由の一つは、大きな自然で育った木がここで新たなステージを迎えることができるということ。」

– 「それは素晴らしいですね!」

尚子さん「あと、私、緑を育てるのが下手だったのに、家にある植物がとにかく元気です。よく、この家を撮影に使わせてと、たくさん人がいらっしゃるんですけど、皆さん家のエネルギーが良いと言ってくださって。植物ってデリケートだから、海外産ではない木ということが何か関係しているのかな?と感じることがありますね。そうやって良いことは全部カラマツのおかげにしているんですけど(笑)」

一同「(笑)!」

尚子さん「私たちが主役というよりは、木が幸せに過ごすことを全力でサポートしたいと思っています。私は小さい頃から色々な場所に移住してきたので、決まった場所に定住したいという考えはないと思っていたのですが、この家で暮らし始めたことで、ここが最後の場所でも良いかなと思えるようになったのは、自分自身でも驚きなんです。」


さいごに。

実際に森を訪れ、その木に納得して外壁に使用するおふたりの取材には、何度も頷くお話ばかりでした。これからもおふたりがカラマツT&Tパネルの木の外壁の家で素敵な暮らしを送り続けることを心から願っています。

また、今回の取材では、お忙しい中「KIBARI」の当山さんと山本さんがお客様とつなげてくださり、とても感謝しています。ありがとうございました。おふたりが展開されている、KIBARIの家のウェブサイトもぜひご覧ください。
KIBARI | 木で魅せる、自由表現ハウス。 | 木張りの家

森の声

「林業として、成り立つために。」

南佐久中部森林組合 新津清秀さん(森林評価士)

「大切に使っていただきたい。」

南佐久中部森林組合 職員のみなさん

暮らしの声

Learn more